目次
はじめに
こんにちは、中小企業診断士のがくじんです。この記事では、口述試験の実際の流れや、その対策についてお伝えします。この試験は、中小企業診断士試験の中でも特に緊張感が高まる場面ですが、適切な準備をすれば、恐れる必要はありません。ここでは、私の実体験を基にした、効果的な対策方法を具体的に解説していきます。
二次筆記試験に合格したら
「口述試験を受ける資格を得た者の発表」と同時に口述試験の受験票や詳細な試験情報が通知されるので、内容をしっかりと確認しておくことが大切です。この段階ではまだ試験に対する実感がわかないかもしれませんが、心を落ち着けて次のステップに進む準備を始めましょう。
口述試験ってどんなの?
さて、口述試験とはどのようなものか、具体的に説明していきます。中小企業診断士の口述試験は、筆記試験で培った知識や分析力を基に、事例に対する論理的な説明を求められる面接形式の試験です。試験時間は約10分間と短いですが、試験官の質問に対してビジネスの現場で必要なコミュニケーション能力が評価されます。合格率は非常に高く99%と言われています。
口述試験の形式
- 面接形式で、試験官は2名
- 筆記試験で扱った4事例に関する質問が4つ以上。
- 2事例に絞って質問される傾向あり。
- 試験時間は1人あたり10分程度。
- 1問あたり2分で解答する指示あり。
- 中小企業の診断および助言に関する能力を問う。
この試験の特徴は、正解を求められるわけではなく、質問に対する誠実な受け答えと、相手に伝わるような論理的な説明が重視される点です。
令和6年度の試験日程
- 口述試験を受ける資格を得た者の発表
令和7年1月15日(水曜日) - 口述試験
令和7年1月26日(日曜日) - 2次試験合格発表
令和7年2月5日(水曜日)
試験のポイント
口述試験における重要なポイントは、コミュニケーション能力です。試験官は、診断士として必要最低限のビジネスマナーやコミュニケーションスキルを確認します。実際にあった不合格となったのは、まったく会話が成立しなかったケースです。例えば、緊張しすぎて頭が真っ白になり、質問に対する答えが一切出てこない場合です。しかし、多少の間違いがあっても、冷静に対処し、コミュニケーションができれば大丈夫です。
具体的な対策方法
- 相手の質問をしっかり聞く。
- 質問がわからなければ聞き返す。
- 慌てず、自分のペースで話す。
- 答えに自信がなくても、誠実に受け答えする。
私の体験では、質問の答えに詰まった場面がありましたが、落ち着いて対応することで難局を乗り越えられました。試験官は完璧な答えを求めているわけではなく、ビジネスの場での適切なコミュニケーションができるかどうかを見ているのです。
事例企業の分析をしておこう!
口述試験の準備の一環として、筆記試験で扱った事例企業を再度分析しておくことが重要です。私は試験前に、自分の書いた再現答案を見直し、SWOT分析や経営資源の整理を徹底的に行いました。特に、社長の思いや企業の特徴的な課題に焦点を当てて準備を進めました。
事例企業を分析する際のポイント
- SWOT分析を実施する。
- 企業の経営課題を明確にする。
- 経営資源と特徴を把握する
- 事業の時系列を整理する。
以上の項目を整理しておけば、自ずと事例企業の理解に繋がります。
R5年度に受験した際に用いた分析シートを参考までに、配布します。
想定問答集を作ろう!
事前に想定問答集を作っておきましょう。想定問答集を作るうちに事例企業についての理解が深まり、いざという時の助けになります。時間が無いよ~という方は予備校でも想定問答集を配布していますので、参考にしてもらえればと思います。
2分間、続けて話せるトレーニングをしよう!
1度、想定問答に対して2分間話続けてみましょう。初めての方は2分間をとても長く感じると思います。筆者は以下の構成で答えることを意識して、挑みました。
- 質問を繰り返す。
「○○の○○についてお答えします。」 - 端的に解答する。
「○社は○○のため、○○すべきと考えられます。」 - 質問に関係する事例企業のSWOTや事業の経緯を話す。
「○社の強みは○○です。一方、弱みは○○です。○○の機会を捉えられていません。」
「○社はこれまで、○○をし、売上を伸ばしてきました。」 - もう一度、結論をいう。
「ですので、○社は○○のため、○○すべきと考えられます。」
1度でも模擬試験を受けておこう!
緊張感を少しでも和らげるためには、模擬試験を1度受けることを強くお勧めします。私は「タキプロ」のオンライン模擬試験を1度受けましたが、この経験が非常に役立ちました。模擬試験を通じて、試験当日の独特な雰囲気や質問に対する対処法を事前に体感できたことが、実際の口述試験での緊張緩和に繋がりました。
模擬試験の利点
- 実際の試験に近い環境での練習ができる。
- 緊張感に慣れることができる。
- 自分の弱点や改善点を把握できる。
このように模擬試験は、自信をつけるだけでなく、自分の準備状況を確認する良い機会です。
体験談、緊張の本番へ
そして迎えた口述試験当日、私も例に漏れず、極限の緊張状態に陥りました。試験官の前に座り、いよいよ質問が始まると、私の心拍数は一気に上がり、手のひらには汗がにじみました。事例Ⅲ、Ⅳからそれぞれ2つずつの質問が出され、合計で4つの質問に答えることになりました。
質問の例
1つ目の質問は、事例Ⅳに関するもの。具体的には「現金資産が余剰な場合のリスクには何があるか」というものでした。これは全く想定していない質問でした。筆者は為替リスクについて答えようとしましたが、どうやら的外れだったらしく、面接官から「投資面ではどうですか?」と追加の質問を受け、一瞬戸惑いました。しかし、慌てることなく「投資を考えないといけないですね」と答えました。この時点で答えが正確かどうかよりも、最後まで落ち着いて話し切れたことが評価に繋がったのだと感じました。
まとめ
中小企業診断士の2次試験口述試験は、確かに緊張感のある試験ですが、適切な準備をすれば臆することなく挑むことができます。事前の企業分析や模擬試験の体験は、試験当日に冷静さを保つ助けとなります。私も同じように不安を抱えましたが、準備をしっかり行い、自分を信じて試験に挑むことで合格を果たすことができました。
中小企業診断士としての口述試験に不安を感じている方、ぜひこの記事を参考にして、自分に合った対策を進めてください。皆さんが自信を持って試験に臨み、合格を勝ち取ることを心から願っています。